1 安全配慮義務とは
安全配慮義務とは、会社(使用者)が労働者の生命・身体・精神の安全を確保するために必要な措置を講じる義務です。
労働契約法5条にも明記されており、すべての企業に課されています。
そのため企業は、危険作業のマニュアル整備、安全教育、過重労働の防止、ハラスメント対策、災害時の安全確保等を行う必要があります。
これらを怠り、労働者が怪我や病気になった場合、安全配慮義務違反が問題となります。
2 安全配慮義務違反の基準とは
安全配慮義務違反が成立するかは、主に次の2つで判断されます。
(1)予見可能性
会社が、「このままでは労働者が怪我・病気になる可能性がある」と予測できたかどうか。
例
・危険な機械を未経験者に扱わせていた
・長時間労働が常態化していた
・職場いじめの相談を受けていたのに放置した
・過去に同様の事故が起きていた
(2)結果回避可能性
会社が、「適切な措置を取れば事故を防げた」と言えるかどうか。
例
・安全装置を設置していれば防げた
・人員配置を調整すれば過労を避けられた
・ハラスメント相談に対応していれば精神疾患を防げた
(3)以上の2つが認められると、安全配慮義務違反が成立しやすくなります。
3 安全配慮義務違反で損害賠償は可能?
結論として、安全配慮義務違反が認められれば、会社に損害賠償請求が可能です。
労災保険は「労働者の救済」が目的であり、会社の責任を免除する制度ではありません。
そのため、労災保険の給付とは別に、会社へ次の損害を請求できます。
例
・慰謝料
・休業損害
・逸失利益
・将来介護費
・労災でカバーされない治療費
4 安全配慮義務違反の慰謝料の相場とは?
慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料・死亡慰謝料に大別されます。
(1)入通院慰謝料
交通事故の裁判基準が参考にされることが多く、入通院の期間に応じて算出されます。
例
・入院1か月:53万円
・通院1か月:28万円
・入院1か月+通院1か月:77万円
(むち打ち症等他覚所見がない場合は、別な基準となります。)
(2)後遺障害慰謝料
後遺障害等級に応じて大きく変わります。
例
・14級:110万円
・12級:290万円
・9級:690万円
・7級:1,000万円
・5級:1,400万円
・1級:2,800万円
(3)死亡慰謝料
死亡事故の場合、2,000万〜3,000万円程度が裁判基準の目安です。
遺族固有の慰謝料が認められるケースもあります。
5 安全配慮義務違反で会社を訴える際の流れとは?
大まかに、以下のような流れとなります。
① 労災申請
まずは労災保険を申請し、治療費や休業補償給付を受けます。
労災認定は、後の損害賠償請求でも重要な証拠になります。
② 治療~症状固定
治療を継続し、症状が「これ以上改善しない」と判断された時点で症状固定となります。
③ 後遺障害等級申請
症状が残った場合、労災の後遺障害等級認定を申請します。
等級が認定されると、障害補償給付が支給されます。
※ 上記のとおり、「後遺障害慰謝料」は等級に応じて請求しますので、この労災の後遺障害等級認定手続は極めて重要です。
④ 会社への損害賠償請求
労災とは別に、慰謝料、逸失利益、労災でカバーされない損害を会社に請求することになります。
一般的には、交渉を試み、交渉で解決しない場合は訴訟等の法的手続に進むことになります。
6 弁護士に相談するメリット
会社への損害賠償を弁護士に相談するメリットとしては、以下の点が挙げられます。
・安全配慮義務違反の立証を任せられる
・慰謝料、逸失利益の増額が期待できる
・会社との交渉を任せられるため精神的負担が軽減
・証拠収集(勤務記録・メール・診断書など)を専門家が整理
・(後遺障害等級認定の段階で)サポートが受けられる
7 当事務所のサポート内容
当事務所では、労災・安全配慮義務違反に関する案件について、次のサポートを提供しています。
・労災申請のアドバイス・代理
・後遺障害等級認定のサポート
・慰謝料・逸失利益の適正な算定
・会社との示談交渉・労働審判・訴訟対応
・医療記録・証拠収集のサポート
・ご家族からの相談にも対応
8 まずは弁護士にご相談を
安全配慮義務違反の問題は、適切な対応を行うことで受け取れる補償が大きく変わります。どうぞお気軽にご相談ください。
初回のご相談は無料です。まずはお問い合わせください。
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