1 はじめに:突然の別れに向き合う方へ
大切なご家族を、過重な仕事の負担によって突然失ってしまう。
その衝撃と悲しみは、言葉では言い尽くせないものだと思います。
「なぜこんなことが起きたのか」
「もっと早く気づけなかったのか」
「会社は何をしていたのか」
多くの遺族の方が、深い悲しみと同時に、答えの見えない疑問を抱えながら日々を過ごされています。
そんな中で、まず知っていただきたいのは、
過労死は決して“仕方のないこと”ではなく、労災として補償されるべき重大な問題であるということです。
ご家族の働き方と発症の関係を明らかにし、適切な補償を受けることは、残されたご家族の生活を守るためにも、とても大切な一歩になります。
2 過労死とは:医学と法律の両面から
過労死とは、過度な仕事の負担が原因で脳や心臓の病気を発症し、命を落としてしまうことを指します。
医学的には
次のような疾患が突然起こり、命を奪ってしまうことがあります。
・脳の病気
・脳出血
・くも膜下出血
・脳梗塞
・高血圧性脳症
・心臓の病気
・心筋梗塞
・狭心症
・心停止
・解離性大動脈瘤
これらは、発症の直前まで普段どおり働いていた方が、ある日突然倒れてしまうケースが多く、遺族の方にとっては受け止めきれないほど急な出来事になります。
法律上は
「業務による過重な負担が原因で発症したかどうか」
が労災認定の大きなポイントになります。
3 過労死が起きる背景:負担は“時間”だけではありません
過労死は、単に「長時間働いていたから」だけで起きるものではありません。
厚生労働省の基準では、次のような複数の要因を総合的に見て判断します。https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-11.pdf
長時間労働
・発症前1か月に100時間を超える残業
・発症前2〜6か月の平均が月80時間を超える残業
これは「過労死ライン」と呼ばれ、業務との関連が強いと判断される目安です。
不規則な勤務・深夜勤務
・夜勤の連続
・ 交代制勤務
・ 睡眠時間が確保できない働き方
精神的な負担
・クレーム対応
・責任の重い業務
・人員不足による過重負担
・パワハラや職場の人間関係のストレス
作業環境
・温度差の激しい現場
・騒音・振動
・長距離運転や拘束時間の長い勤務
ご家族がどのような環境で働いていたのか、ひとつひとつ丁寧に確認していくことが大切です。
4 労災認定の判断基準:3つの視点
労災として認められるかどうかは、次の3つの観点から判断されます。
① 発症直前の「異常な出来事」
突然のトラブルや、普段とは違う強い負荷がかかった場合
例:・大きなクレーム対応
・同僚の急死に立ち会った
・急激な温度差のある現場での作業
② 短期間の過重業務
発症前1週間ほどの間に、極端な負担が続いた場合
例:・休日なしの連続勤務
・深夜勤務が続いた
・出張続きで休息が取れなかった
③ 長期間の過重業務
発症前2〜6か月の慢性的な負担
例:・月100時間超の残業
・平均80時間超の残業が数か月続いた
これらは、労働時間だけでなく、精神的負荷や勤務環境も含めて総合的に判断されます。
5 労災保険から受け取れる補償
葬祭料
葬儀にかかる費用の補填
遺族補償年金・一時金
扶養状況に応じて年金が支給、一時金の場合は年収の約3年分
労災保険は、遺族の生活を支えるための大切な制度です。
6 労災給付だけでは足りない理由:会社への損害賠償請求
労災保険は最低限の補償であり、「慰謝料」は含まれていません。
そのため、会社に
・安全配慮義務違反
・不法行為
が認められる場合、次の損害を請求できます。
・死亡慰謝料(一般的に2,000〜2,800万円)
・死亡逸失利益(将来得られたはずの収入)
ご家族の未来の生活を守るためにも、損害賠償請求を検討することはとても大切です。
7 弁護士に相談することの意味
過労死の案件は、医学・労働法・行政手続が複雑に絡みます。
遺族の方がご自身で全てを進めるのは、精神的にも現実的にも大きな負担です。
弁護士に相談することで、次のようなサポートが受けられます。
労災申請に必要な証拠の収集
タイムカード、出退勤記録、業務日誌、健康診断結果等
どの資料が有効か、どのように集めるかを一緒に考えます。
労基署とのやり取りの代行
申請書類の作成、労基署からの照会対応、面談への同行
不支給の場合の対応
審査請求、再審査請求、取消訴訟
会社との交渉・訴訟
法的根拠に基づく損害賠償請求、会社側弁護士との交渉、裁判での代理人として出廷
遺族の方が直接会社と向き合う必要がなくなり、精神的負担が大きく軽減されます。
8 ひとりで抱え込まないでください
過労死は、突然家族の生活を奪う深刻な問題です。
そして、その後の手続きは複雑で、遺族の方にとっては大きな負担となります。
ですが、被災者が悪いわけではありません。ご家族が悪いわけでもありません。
必要な補償を受けることは、残された家族の生活を守るための大切な権利です。
どうか、ひとりで抱え込まず、専門家に相談してみてください。
あなたの大切な人のためにも、そしてあなた自身のためにも、確かな支えとなる道を一緒に探していきましょう。
初回のご相談は無料です。まずはお問い合わせください。
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