仕事中の思わぬ事故で負傷した場合、その怪我は「労働災害」として扱われ、労災保険による補償を受けられる可能性があります。状況によっては、会社に対して損害賠償を求めることも検討されます。
なかでも膝の怪我は発生頻度が高く、「どのような症状なら労災に該当するのか」という疑問を抱く方も多いところです。
ここでは、膝が動かしにくい、曲げると痛むといった症状がある場合に、労災として認められる可能性や、その後の流れについて整理します。
1 膝の痛みが生じる主な原因
膝関節は「脛骨大腿関節」と「膝蓋大腿関節」の二つで構成され、半月板や靭帯など多くの組織が関わっています。仕事中の動作や外力によって、以下のような障害が起こることがあります。
半月板損傷
転倒や衝突などの外傷により半月板が傷つき、炎症や痛みが生じます。
カートやフォークリフトとの接触事故など、業務に起因するケースは少なくありません。
関節炎
膝の軟骨が摩耗し、炎症によって痛みが出る状態です。
重い荷物の運搬、長時間の作業、振動工具の使用などが誘因となることがあります。
神経の圧迫
膝周囲の神経が圧迫されることで痛みやしびれが発生します。
デスクワークで同じ姿勢を続ける、膝をつく作業が多いなど、姿勢の固定が原因となることがあります。
靭帯損傷(内側側副靱帯損傷、前十字靭帯損傷など)
膝を支える靭帯が損傷すると、痛みや不安定感が生じます。
転倒や重量物の運搬中に膝をひねるなど、突発的な外力が典型的な原因です。
骨折
膝周辺の骨折は強い痛みや腫れを伴います。
高所からの落下や転倒など、明確な事故によって発生します。
2 労災保険を利用しましょう
(1)労災保険とは
労災保険(労働者災害補償保険)は、仕事中や通勤途中に発生した怪我・病気・障害・死亡について、労働者とその家族を保護するための公的保険制度です。
労働者が安心して働ける環境を整えるために設けられた制度で、正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員など、雇用形態に関わらず原則としてすべての労働者が対象となります。
(2)労災保険から受け取れる補償・給付
労災保険で受けられる主な給付は次のとおりです。
膝の怪我のように治療が長期化しやすいケースでは、特に重要になります。
① 療養補償給付(治療費の補償)
病院での治療費、手術費、リハビリ費用などが全額補償されます。
労災指定病院であれば窓口負担はありません。
② 休業補償給付(働けない期間の収入補填)
怪我や病気で働けない場合、休業4日目から、給付基礎日額の60%+特別支給金20%が支給されます。
実質的に約8割が補填される仕組みです。
③ 障害補償給付(後遺障害が残った場合)
症状固定後に後遺障害が残った場合、等級に応じて給付が行われます(詳しくは後述します)。
3 労災として認定されるまでの手続き
労災補償を受けるには、一定の手続きが必要です。一般的な流れは次のとおりです。
① 従業員が会社へ事故を報告する
会社は労働基準監督署へ「労働者死傷病報告」を提出します。
② 労災保険の請求書を労働基準監督署へ提出する
③ 監督署による調査
事故状況や業務との関連性が確認され、
・労災と認められれば給付決定
・認められなければ不支給
という判断がなされます。
なお、本来は会社が協力するべき手続きですが、残念ながらすべての企業が積極的とは限りません。
労災申請を拒む、事故を隠そうとする、いわゆる「労災隠し」が行われるケースもあります。
会社から「労災申請をするな」と言われている>>>
そのような場合には、早い段階で弁護士に相談することが重要です。
4 労災認定後の流れと症状固定、後遺障害の等級
(1)労災として認められると、労災保険を使って治療を続けることになります。
治療を続けても医学的な改善が見込めなくなった時点が「症状固定」です。
症状固定後に残った症状は「後遺障害」とされ、その内容に応じて等級が決まります。
(2)膝に関する後遺障害の主な等級
膝の後遺障害は、機能障害・変形障害などの観点から評価されます。
等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重度です。
機能障害
膝の可動域が大きく制限される場合に認定されます。
例:8級7号:関節がほぼ動かない状態
10級11号:健側の半分以下の可動域
12級7号:健側の4分の3以下の可動域
変形障害
骨折後の癒合不全や変形が残った場合に認定されます。
例:7級10号:偽関節があり、著しい運動障害を伴う
8級9号:偽関節があるが、常時補装具を必要としない
12級8号:長管骨に変形が残る場合 など
5 会社への損害賠償請求について
後遺障害が認定された場合、労災保険の給付だけでは十分な補償にならないことがあります。
そのため、会社に対して損害賠償を求めることを検討するケースもあります。
損害賠償が認められるには、
・会社に安全配慮義務違反などの過失があるか
・どのような義務を怠ったのか
といった点を丁寧に検討する必要があります。
ここは法的な判断が非常に重要となるため、専門家の助言が不可欠です。
6 まとめ
膝の怪我は労災の中でも相談が多い分野であり、症状や後遺障害の内容によって受けられる補償が大きく変わります。
適切な手続きと正確な評価を受けるためには、専門的な知識が必要です。
不安を抱えている方は、早めに弁護士へ相談し、適切な補償を確保するためのサポートを受けることをおすすめします。
7 労働災害に遭ってしまった際は、ぜひ当事務所へご相談ください。
労災事故において、膝に痛みを負う事故に遭ってしまった場合には、生活に大きな影響が生じる可能性があります。
そこで、適正な後遺障害認定を受けなければなりません。
また、会社に対して損害賠償請求をすることができる可能性もあります。
福崎法律事務所では、後遺障害認定、会社への損害賠償請求について、豊富な経験と実績がございます。ご相談者様のお話を丁寧にお伺いし、最善の解決策をご提案いたします。
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